都市部のワンルームやコンパクトな賃貸住宅で快適な暮らしを実現するため、省スペース家具への関心が高まっています。
とくに壁収納ベッドは、使わないときに折りたたんで収納できるため、限られた居住空間を有効に活用できるアイテムとして注目されています。
そこで今回は、壁収納ベッドの市場動向をふまえつつ、設置時に注意すべきポイントやDIY事例についてわかりやすく解説します。
市場拡大が続く壁収納ベッドと人気の理由
壁収納ベッド(ウォールベッド)は、2025年から2032年にかけて年平均約6.8〜7.8%の成長が予測されており、省スペース志向が強い都市部の住宅事情を背景に需要が高まっています。
日本だけでなくアジアや欧米でも広く普及が進み、若年層や単身者を中心に人気を集めています。さらに、折りたたみ式のソファベッドなども含めた多機能家具は、エコ素材やスマート家電と連携するモデルなど、選択肢の幅も広がっています。
国内では、フランスベッド、ニトリ、アイリスオーヤマなどが、省スペース性と価格面で優れた製品を展開しています。一方、IKEAやNATUZZIといった海外ブランドは、デザイン性や耐久性に定評があります。
収納付きやデスク一体型、リクライニング対応など、生活スタイルに合わせて選べる点も魅力です。
設置前に確認したい壁補強や配線位置
壁収納ベッドを安全に設置するには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。とくに壁面に固定する際には、石膏ボードだけで支えるのではなく、間柱の位置を確認して、下地にしっかりとビス止めすることが求められます。
必要に応じて補強板やアンカーを使用し、重さを分散させることで耐震性も高まります。
賃貸物件にお住まいの方は、原状回復の義務があるため、事前に管理会社や大家の許可を得ることが大切です。また、壁内の電気配線にも注意しなければなりません。
誤って配線にビスを打ち込むと、感電や断線の危険がありますので、配線の有無を事前に確認し、安全な場所に設置する必要があります。コンセントの増設が必要な場合は、無理せず専門業者に依頼するのが安心です。
DIYで設置する場合の実例と注意点
近年では、市販のパーツを使って壁収納ベッドをDIYで設置する事例も見られます。たとえば、5.5畳の部屋にすのこベッドを壁面収納化した例では、2×4材やアジャスター、回転金具を使い、約1万円の材料費で仕上げたケースもあります。
有孔ボードを併用して収納スペースを増やすなど、アイデア次第で使い勝手の良い空間が実現可能です。
ただし、DIYでの施工には十分な注意が必要です。下地への確実な固定や、壁や床の水平・垂直の確認、配線や照明の干渉チェックなど、安全性を損なわない工夫が欠かせません。
とくに耐荷重の問題には細心の注意を払い、不安な場合は専門家に相談することをおすすめします。
まとめ
壁収納ベッドは、狭小住宅における省スペース対策として非常に有効な家具ですが、安全に使うためには設置環境の確認が欠かせません。
壁の構造や配線位置を把握し、必要であれば補強や専門業者の力を借りながら、無理のない方法で取り入れることが重要です。
正しく設置すれば、快適で効率的な暮らしを支える強力なアイテムとなるでしょう。
最新の製品情報や施工事例を確認する際は、メーカー公式サイトや専門メディアをチェックしてみてください。